業種区分ごとに許可が必要

建設工事の区分は現在29種類(一式工事2種、専門工事27種)あり、自社が営もうとする業種それぞれで許可が必要となります。

目次

一式工事について

1.土木一式工事

トンネル工事、橋梁工事、ダム工事、護岸工事などを一式として請負うもの
・「プレストレストコンクリート工事」のうち橋梁等の土木工作物を総合的に建設するプレストレストコンクリート構造物工事
・上下水道に関する施設の建設工事における、公道下等の下水道の配管工事及び下水処理場事態の敷地造成工事
・農業用水道、かんがい用排水施設等の建設工事

2.建築一式工事

建物の新築工事、増改築工事、建物の総合的な改修工事等一式として請負うもの
ビルの外壁に固定された避難階段を設置する工事は、建築分の躯体の一部の工事として「建築一式工事」又は「鋼構造物工事」に該当する

一式工事の考え方

一式工事は、工作物の建設を一体的に請負い、総合的な企画、指導、調整を行う工事を指します。※原則として元請で請負う工事

<概念>
・2つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて、社会通念上独立の使用目的がある土木工作物又は建築物を造る工事
・必ずしも2以上の専門工事が組み合わされていなくても、工事の規模、複雑性等からみて総合的な企画、指導及び調整を必要とし、個別の専門的な工事として施工することが困難であると認められる工事

附帯工事の考え方

建設業者が許可を受けた業種の建設工事を施工するにあたり、当該建設工事に「附帯する工事」であれば、許可を受けていない業種の建設工事であっても、これを請負い、施工しても差し支えありません。

<附帯工事とは>
・主たる建設工事の施工をするために必要な他の従たる建設工事
例)石工事業者が石垣を築造するにあたって基礎部分の掘削やコンクリート工事を施工する場合
・主たる建設工事の施工をすることにより必要が生じた他の従たる建設工事で、独立の使用目的に供されるものではないとされる工事
例)管工事業者が、既存の建物に冷暖房工事の配管をするにあたって、壁体をはつったり、熱絶縁工事をしたり、施工後の内装仕上げ工事をする場合

業種区分表

番号許可業種略号内容
1土木工事業総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造または解体する工事を含む。以下同じ。)
2建築工事業総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事
3大工工事業木材の加工または取付けにより工作物を築造し、または工作物に木製設備を取付ける工事
4左官工事業工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、またははり付ける工事
5とび・土工工事業イ 足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事
ロ くい打ち、くい抜き及び場所打ぐいを行う工事
ハ 土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
二 コンクリートにより工作物を築造する工事
ホ その他基礎的ないしは準備的工事
6石工事業石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取付ける工事
7屋根工事業瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事
8  電気工事業発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事
9管工事業冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事
10タイル・れんが・ブロック工事業れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、または工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、またははり付ける工事
11鋼構造物工事業型鋼、鋼板等の鋼材の加工または組立てにより工作物を築造する工事
12鉄筋工事業棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事
13舗装工事業道路等の地番面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、破石等により舗装する工事
14しゅんせつ工事業しゅ河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事
15板金工事業金属薄板等を加工して工作粒に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事
16ガラス工事業工作物にガラスを加工して取付ける工事
17塗装工事業塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事
18防水工事業アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事
19内装仕上工事業木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上けを行う工事
20機械器具設置工事業機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事
21熱絶縁工事業工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事
22電気通信工事業有線電気通信設備、無線電機通信設備、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事
23造園工事業整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造する工事
24さく井工事業さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事またはこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事
25建具工事業工作物に木製または金属製の建具等を取付ける工事
26水道施設工事業上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事
27消防施設工事業火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置し、または工作物に取付ける工事
28清掃施設工事業し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事
29解体工事業工作物の解体を行う工事

Q&A

どの業種で許可を取るべきか悩んでいます。複数取ってもいいですか?

要件を満たしていれば複数取ることをお勧めします。
「あれも取っておけばよかった」と後から思った場合、業種追加申請を行う為、費用や時間が追加で掛かります。
複数の業種の申請が可能な要件を満たしているのなら、一度に申請してしまった方がお得です。

本店で「建築工事業」を取り、支店で「電気工事業」を取りたいと考えています。可能ですか?

可能ですが、注意が必要です。
本店と支店で別々の業種の許可を取得することは可能ですが、その場合、本店で「支店が取得した業種」を請負うことができなくなります。
逆に、支店では「本店が取得した業種」を請負えません。
通常、建設業許可を取得していなくても、500万円未満なら請負うことができますが、本店と支店で別々の業種の許可を取得した場合は、500万円未満でもお互いが取得した業種については、請負うことができなくなります。

本店で「特定建設業」許可を取り、支店で同じ業種の「「一般建設業」許可を取得したいのですが、可能ですか?

できません。
業種ごとに、一般建設業又は特定建設業のいずれか一方の許可を受けることができますが、同一業種を営業所ごとに、一般建設業と特定建設業の許可を別々に受けることはできません。