許可の基準①~経営業務の管理責任者~
建設業許可の取得にあたり、4つの許可基準と欠格要件についてクリアしなくてはなりません。
4つの許可基準は、①経営業務の管理責任者、②営業所の専任技術者、③誠実性、④財産的基礎、です。
ここでは、まず①経営業務の管理責任者について確認していきます。
目次
経営業務の管理責任者とは
「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するもの」として政令で定める者のことを言います。(令和2年10月改正)
その者の要件として、
- 適切な経営能力を有すること
- 適切な社会保険に加入していること
を、要件としています。
1.適切な経営能力(建設業の経営経験)
次の(イ)または(ロ)のいずれかに該当する体制を有する場合、適正な経営能力を有するものとして認められます。
(イ) 常勤役員等(法人の場合は、常勤役員、個人の場合はその者又は支配人をいう)のうち一人が次のいずれかに該当すること
- 建設業に関し、5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有する者
- 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として5年以上経営業務を管理した経験を有する者
- 建設業に関し、経営業務の管理責任者に準ずる地位として6年以上経営業務の管理責任者を補助する業務に従事した経験を有する者
(イ)の解説
建設業であれば、異なる業種の合算でも構いません。また、経験業種に関わらず全ての業種の経営業務の管理責任者になることができます。
静岡県では、建設業の役員経験、執行役員経験及び補佐経験は常勤の者に限り認めています。
(ロ) 常勤役員等のうち一人が次のいずれかに該当するものであって、かつ、該当常勤役員等を直接保佐する者として、A,B,Cに該当する者をそれぞれ置くものであること
- 建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の建設業の役員等または役員等に次ぐ職制上の地位(財務管理、労務管理、業務運営を担当する者に限る)における経験を有する者
- 建設業の役員等の経験2年以上を含む5年以上の役員等の経験を有する者
+
- A 許可申請等を行う建設業者等において5年以上の財務管理の経験を有する者
- B 許可申請等を行う建設業者等において5年以上の労務管理の経験を有する者
- C 許可申請等を行う建設業者等において5年以上の運営業務の経験を有する者
(ロ)の解説
自らの建設業役員経験が5年を満たしていないが、2年以上の建設業の役員経験に、他会社(他業種)の役員経験または建設業の役員等に次ぐ職制上の地位(申請する会社の財務管理、労務管理、運営業務に限る)の在籍期間を加えて5年以上になれば、申請する会社の財務管理、労務管理、運営管理の経験を5年以上有する者を補佐につけることによって、経営業務の管理責任者の要件を満たすことを定めたものです。
A.B.Cは、一人が複数の経験を兼ねることを可能とします。
2.適切な社会保険への加入
適切な社会保険への加入とは、「健康保険」、「厚生年金保険」、「雇用保険」のそれぞれ加入義務のあるものに加入していることを言います。
「適用除外」に該当する場合は、加入義務を有しませんので、「適切な社会保険」に加入しているとみなします。
適用除外の事例
健康保険及び厚生年金保険
- 常勤の雇用従業員(家族労働者除く)が4名以下の個人事業所(短期労働者を除く)
- 健康保険の被保険者の適用除外の承認を受けている保険団体(例:全国建設工事業国民健康保険組合、全国土木建築国民健康保険組合等)に加入している場合
雇用保険
- 常勤者が役員しかいない法人(一人親方を含む)
- 従業員が次の雇用形態しか該当しないもの
・週の労働時間が20時間未満の者
・31日以上継続して雇用する予定がない者
・学生、生徒